最近は、ホテルやレストランだけにとどまらず、オフィスなどにも大きな観葉植物やプランターを配置している店舗が増えています。
大きなグリーンが揺れる様は、目にも優しく気持ち的にも落ち着きを与えてくれるものです。
テーブルの上、席の間など、あらゆる場所に観葉植物やプランターを配置できますが、飾り方の注意点や管理について、今回はご紹介していきます。
大きな観葉植物やプランターを置く効果
自宅で観葉植物やプランターを置いて育てている人はたくさんいますが、商業施設やオフィスに置くことで得られる効果は何かを知っておきしょう。
効果があると考えられるいくつかを、以下お伝えします。
・非日常の空間
ホテルやレストラン、そしてオフィスは多くの場合が都会に位置していますが、大きな観葉植物を店舗に置くことによって、まるで自然の緑の中に迷いこんだような気分にしてくれるものです。
非日常の空間は、訪れた人をゆったりとした気持ちにさせ、日頃の疲れを癒す効果が期待できます。
店舗の場合は、居住スペースと違い空間に広さがあるので自宅に置くようなサイズの観葉植物やプランターだと少し物足りなさを感じますし、あまり視界にも入りません。
植物の効果を得るためには、視界に入る必要があるので、大きな観葉植物やプランターを置くことが大事だといえます。
・自然治癒力が向上する
観葉植物の緑は視界に映ることで、癒しやリラックス効果を得られます。
森林浴をすると、心がリフレッシュして疲労回復が期待できるというのは緑がもたらす効果のひとつ。
なぜ、緑にはそのような効果があるのかといえば、大脳皮質という感情をコントロールする場所の働きを活性化させると言われているからです。
大脳皮質が疲れて働きが弱まっていると、日常受ける些細なストレスでも気持ちが沈み、心身に不調が発生します。
観葉植物の緑は、大脳皮質の働きを促して、疲れを解消してくれることでしょう。
・空気をキレイにする
海外の研究でも証明されていますが、観葉植物には空気をキレイにする効果があります。
シックハウス症候群の原因となる有害物質を植物は吸収してくれるため、つねにキレイな空気が店内に流れていることは非常に良いことです。
店舗の場合、空気に清涼感がないと居心地が悪いと無意識に感じられて、お客さまが不快を覚える可能性もあるでしょう。
観葉植物を配置して空気をキレイにすることは、お店やホテルにとって重要なポイントだといえます。
・目隠し効果
ホテルやレストランなどの店舗、そしてオフィスには、あらゆる「職務上必要な場所」が存在しているものです。
例えば、厨房に繋がる道や従業員の出入りが激しい場所に関していえば、あまりお客様さまに見られたくない部分といえるでしょう。
そんな時にパーテーションを使うお店も多いですが、窮屈さや圧迫感を感じてしまいます。
全体的に狭い印象になるので、居心地が悪く「早く帰りたい」と思われるようなお店になってしまうのです。
そのような事態にならないように、大きな観葉植物やプランターをパーテーション代わりに席の間などに置くことで、狭さではなく反対に雄大な自然を演出できるため、圧迫感を排除できます。
オフィスにおいても、応接やミーティングルーム、フリーアドレスルームなどの席と席の間の目隠しに、大きな観葉植物は効果を発揮します。
大きな観葉植物やプランターを飾る実例
レストランやホテル、オフィスに大きな観葉植物を置くことで得られる効果は色々ありますが、配置が悪いと逆に印象が悪くなってしまうことも考えられます。
以下、配置するポイントを紹介しますので、参考にしてみて下さい。
・パーテーションがわりにボリュームがあるものを配置
ホテルのラウンジや商業施設内にあるレストランの導線では、通路を歩くお客様からテーブル席の様子が見えることがよくあります。
その場合、会食を楽しむお客様が、視線を感じることに対して居心地の悪さを感じ無いよう、観葉植物を通路と席の間に置くとパーテーション代わりになります。
パテーションにする場合、植木鉢に入れた観葉植物を置くのではなくて、ある程度の長さがあるプランターを使用することもよくあります。
少しボリュームのある植物を選ぶと、店内の雰囲気も一気に自然の装いとなり、動きも出て圧迫感もなくなることでしょう。
・カフェの入り口には高さよりも大きさのあるものを配置
カフェは、ナチュラルなテイストの店作りをしていることも多いので、入り口にメニューボードを飾っている場合もたくさんあります。
メニューボードの横に観葉植物を置くと、柔らかい印象となって店に入りやすくなる効果を得られます。
一般的に、お店の雰囲気とメニューボードは似通っていることが多いので、置いてはみたものの、あまり目立たないという場合もよくあります。
このような場合、大きな観葉植物を置くことによって、インパクトを出せばお客さんの目を引くことができるでしょう。
最近は、入口のほか、テラス席など、(観葉)植物を屋外に飾るケースも増えています。
オリーブやアガベなどの植物など、屋外でも飾れる植物も様々あります。
・広いロビーには高さのある観葉植物を配置
インテリアの雰囲気によっては、観葉植物との相性が悪い場合もありますが、基本的には落ち着きのある印象になります。
空間に彩りとおしゃれさを与えられるため魅力的ですが、空間の大きさによっては、あまり大きな観葉植物を置くと狭い印象となる場合がありますが、天井が高い空間には少し細身で高さのある観葉植物を配置すると、観葉植物によって高さのある空間をより一層強調できます。
ホテル、レストラン、オフィスのインテリアやコンセプトと相性が良いかどうかを、専門家の意見なども交え事前にチェックしておくのが失敗しないポイントです。
おすすめの観葉植物の種類
全ての観葉植物に大きなサイズが揃うわけではありません。
いくつか大きく飾れて育てやすい観葉植物を紹介していきます。
・ベンジャミン・シタシオン
大きな観葉植物で有名な「ゴムの木」の仲間です。
濃い緑色の葉は涼しげな印象を与え、カールしているので動きも出すことができます。
基本的には屋内・屋外どちらでも大丈夫ですが、直射日光がずっと注ぐような場所に置くと痛んでしまうので注意しましょう。
1日2回程度霧吹きで葉に水をかけてあげることで、ツヤツヤできれいな状態になります。
・ソングオブインディア
まるで小さな剣のような形をした葉が特徴的な観葉植物です。
歌を歌っているような自由さと淡い葉の色が美しいので、レストランやホテルなどの店内にピッタリだと言えます。
細い植物で乾燥に強いですが、屋外にはあまり適しておらず、室内向きです。
・カポック
カポックは主に熱帯に分布する乾燥に強い植物で、日の当たらない場所でも育ってくれます。
環境に対する適応性は比較的高く、冬場、霜の降りない地域であれば屋外で育てることも可能です。
但し、寒冷地域では冬を越すことが難しいため屋内で育てることが必須となります。
大きさってどれくらい?重さは?
店舗に適した観葉植物の大きさは、もちろん店内の広さにもよるので一概にこのサイズとは言えません。
自分の店舗にはどの大きさが合うのかを知る足掛かりとして、まずは実際、どういったサイズがあるのか?重さはどのくらいなのか?を知っておきましょう。
・サイズ感
大体、店舗に置くような大きな観葉植物の場合、200~250㎝程度の高さのものが多いです。
そのため、非常に大きいので植木鉢もそれなりの大きさが必要なのでは?と思うかもしれませんが、最も多く使用されているのは10号の大きさ程度が多いようです。
植木鉢の大きさは、cm単位ではなくて号単位で表します。
1号大体鉢の直径が3cm程度なので、10号は30cm程度になります。
吹き抜けやテラスなどの大きな空間で使用する高さ250㎝以上の大型のものには、直径70cm以上のものを使用したり、特注のケースで横長の幅が200cm以上の長さのものもあります。
・素材や重さ
プランターの場合は、さまざまな素材があります。
粘土を焼いて作られている素焼きタイプ、樹脂、陶器、木製とありますが、木製タイプはプランター自体が劣化しやすいので、長期間お店で使用する場合は、メンテナンスが必要になります。
大きさに様々なバリエーションがあり、大型のものも揃っている素材は、素焼きタイプもしくは樹脂製です。
ただ、屋外用の素焼きタイプは、安定のため重く作られており、土などを入れるとかなため、りの重さとなり、一人で運ぶのは困難な重さになることもあります。
樹脂製などで比較的軽量なものもありますが、大きな植物を入れて不安定にならないよう、全体のバランスを取ることが重要になります。困ったらプロに相談してみるのが良いでしょう。
大きなプランターや植木鉢を配置する際の注意点
基本的に、お店やオフィスに大きなプランターや植木鉢を配置する場合、自宅とは違って数が必要になります。
1つだけ置くということはあまりなく、複数を用意する必要がありますが、その場合、運搬費がより多くかかるものです。
そのほか、設置費がかかることもあるので、事前に見積もりを取ることをおすすめします。
また、配置した後もしっかりと観葉植物を管理していかなくてはいけないので、誰が担当するのかを決めることが大事です。
通常業務に没頭して観葉植物にまで意識が向かずに、枯らしてしまわないように注意しましょう。
大きな観葉植物は商業店舗に配置することで得られる効果は多い
ホテルやレストラン、オフィスなどの施設に、大きな観葉植物を置くと心理的にも良い効果を得られることは多いです。
ただ、配置する場所やサイズによっては相性が悪い場合もありますし、配置後の管理が大変…と思うかもしれません。
その場合は、観葉植物のレンタルサービスを利用してみることをおすすめします。
テラス席など屋外向けサービスもあります。
ご希望のサイズや配置後の管理までさまざまな要望に合わせて対応できるため、大きな店舗で複数の観葉植物が必要という場合は是非1度試してみてください。